プロのファシリテーターになる方法とは?3つの必須スキルを徹底解説
こちらの記事では、プロのファシリテーターになる方法や、求められるスキルをご紹介いたします。ファシリテーターはミーティングなどを円滑に行うために今後ますます必要とされるでしょう。プロのファシリテーターになりたい方は参考になさってください。

近年、ミーティングやワークショップなどで必要な人材として注目されているのがファシリテーターです。
ファシリテートという言葉には「促進する人」という意味があります。
ファシリテーターは、ミーティングやワークショップが円滑に、そして効率よく行われるようにアシストするのが仕事です。
今回は、そんなファシリテーターになりたいと考えている人に向けて必要な情報をご紹介いたします。
ファシリテーターに必要なスキル、仕事内容、などを解説し、ファシリテーターになるための方法もお伝えいたします。
これからファシリテーターを目指す人はぜひ参考になさってください。
Contents
プロのファシリテーターに求められる3つのスキル
プロのファシリテーターとして活躍するためには、どのようなスキルが求められているのか見ていきましょう。
こちらではファシリテーターに求められる3つのスキルをご紹介いたします。
1. 目的を見極めて会議を設計するスキル
ファシリテーターはなんのためにそのミーティングやワークショップが行われ、どんなゴールを目指しているのかを見極めるスキルが求められます。
目的を見極めることができなければ、ミーティングやワークショップの向かう方向性がわからず、本当に必要なゴールにたどり着くことができません。
また、これまでにも行われてきたミーティングやワークショップなら、前回の反省点・改善点を明確にする必要もあります。
ゴールに向かうためには何が足りていなかったのかを見極め、それを生かして今回のミーティングやワークショップに何を取り入れるかを考えて設計することも大切です。
現状の問題を見極め、ミーティングやワークショップ後にどのようなゴールを迎えるのが理想的なのかを見据える力を養いましょう。
当日の流れ、懸念点、提供できること、終了後のフォローアップの仕方などを明確に設計して提示できれば、クライアント側も安心です。
2. コミュニケーション能力
ミーティングの場合は、社内の人間関係や会社対会社の力関係を見ながら、参加者一人一人が発言できるような場の雰囲気を作る必要があります。
また、少数派の意見を否定するのではなく、それぞれの意見をしっかりと受け止め、どのような背景でその発言があったのかも見極めなければなりません。
参加している誰もが活発に意見を出し、納得がいく結論にたどり着けるようにコミュニケーションをとりながら進行する力が求められます。
ワークショップの場合でも、クライアント側の伝えたい内容が参加者に伝わりやすい場の雰囲気を作ります。さらに、参加者の疑問点を引き出すコミュニケーション能力も必要です。
3. 会議を臨機応変に進める力
ファシリテーターは司会進行という役割も担っていますが、それだけが仕事ではありません。ミーティングやワークショップの進行を行いながらも、事前に見極めたゴールに向かって臨機応変に進めていく必要があります。
活発に意見が飛び交うミーティングやワークショップでは、思いもよらない方向に進んでしまいそうになることもありますが、その意見をうまく受け止めながら、臨機応変にゴールに向けて道筋を立て直さなければいけません。
事前に会議を設計していても当日に思うように進むことはほとんどないと考えて、その場その場で対応する力も求められます。
そもそもプロのファシリテーターの仕事とは?
ファシリテーターの言葉の意味は、物事を円滑に進める人のことをさしています。
ファシリテーターというと、ミーティングやワークショップなど多くの人が参加する場での進行役を思い浮かべる人も多いかもしれません。
しかし、プロのファシリテーターはただ単に進行するだけではなく、進行しながら場の雰囲気を作り、ミーティングやワークショップの目的を達成できるように道しるべとなる役割を果たします。
たとえば、ミーティングが行われる目的をふまえて段取りを設定し、当日の進行をしながら、ミーティング中に参加者全員が納得できる場づくりをします。
ただミーティングを進行するだけでは、普段から発言が多い人や力関係が上の人ばかりが発言してしまいます。
そこで、ファシリテーターが介入して、なかなか発言の機会がない人たちからも意見を吸い上げていくのです。
また、ミーティング中に活発な意見が出れば出るほど、意見がまとまりづらくなる傾向にあります。そんなときには、ファシリテーターが、それぞれの意見の調整を行いながら目的を達成できるように進行していくのです。
プロのファシリテーターは、「進行をしながら意見を引き出す・まとめる・調整する・絞り込む」仕事をします。
プロのファシリテーターになる方法
ファシリテーターは、在籍している会社の中で自然とその役割が与えられることも多いです。しかしプロのファシリテーターとして企業に依頼されて働いている人もいます。
1. 認定資格の取得や養成講座の受講
ファシリテーターには国家資格や公的な資格はありません。資格がなくてもファシリテーターと名乗ることはできます。しかし仕事がもらえるプロのファシリテーターになるためには、認定資格を取得したり、養成講座を受講するのがおすすめです。
ファシリテーターの認定資格の代表的な資格には下記が挙げられます。
- 視覚会議®ファシリテーター資格認定制度
- キャリアトランプファシリテーター認定資格
- 自律型人材育成ファシリテーター養成講座
また、それ以外にも教育系・医療系に特化した資格や、チームビルディングに特化した資格などもあります。どんな現場で活躍したいか考えてチェックしてみてください。
国際的なファシリテーターの資格もあります。代表的なものは、IAF (The international association of facilitators )という国際団体によるCPFという資格です。
この資格は世界各国で試験が行われている資格で、日本でも毎年ではありませんが試験が開催されています。試験は英語で行われますが、受験者が5名以上いる場合に限り面接と実技試験を同日通訳で日本語で行うことができます。
こういった資格を取っていると、ファシリテーターとしての実力をアピールすることができます。必須ではありませんが取得しておくとよいでしょう。
2. 求人に応募するか団体に登録する
ファシリテーターとして活躍するには、企業が出しているファシリテーターの求人に応募するか、ファシリテーター紹介事業を行なっているNPOや団体に登録して紹介をお願いする方法が一般的です。
ファシリテーター紹介事業を行なっている主な団体はNPO日本ファシリテーター協会があります。
コネクションがある場合や、実績を積めばフリーランスのプロのファシリテーターとして活躍していくことも夢ではありません。仕事で結果を残せば、クライアントが付き合いのある会社を紹介してもらえることもあります。
プロのファシリテーターの年収
プロのファシリテーターの年収は300〜700万円が相場です。
企業のファシリテーターの求人を見てみると、300万円スタートで実力や経験を考慮するというものが多く見受けられます。
ファシリテーター紹介事業をとおして仕事を受ける場合は、軌道に乗るまでファシリテーター1本で生活するのは難しいかもしれません。
少しずつ実績を積んで評価の高いファシリテーターになれば、フリーランスとして生活することも十分できます。またフリーランスで大企業からの仕事を受けられるレベルになると、年収1,000万円を超えることも不可能ではありません。
まずはファシリテーターについて知っておこう
ファシリテーターという仕事はまだまだ新しい仕事ですが、これから需要が増えていくであろう仕事です。このタイミングでファシリテーターとしてのスキルを身につけ、働き始めれば将来の幅も広がりやすいでしょう。
またファシリテーターを目指していない人でも、ミーティングやワークショップを開いたり参加したりする機会のある人は、ファシリテーターに求められるスキルを知っておけば、活かせる場面が出てくるはずです。